【第110話】架空の生徒と対談しながら進行するブログ | 『帰ってきた』 コロ助の徒然日記 リローデッドZ パート2

【第110話】架空の生徒と対談しながら進行するブログ

はいそれじゃ授業始めますよ。


出欠とります。

コロ助君。

はい、全員出席ね。


では今日は何ページからかな?

えーと、そうそう、教科書の1039ページ。

「源氏物語の中の第三章、『春は曙』における二次関数定理と力の働きを英作文する話」でした。


宿題はやってきたかい?

何?やってない。

どうしたのかな?なに?お母さんが倒れて?看病してた?

そうか・・・。それはしょうがないな。

お母さんは大丈夫かい?

え?今入院している?

それは大変だ・・・。どうしたんだい?何か病気かい?


え?殴ったら?倒れた?

なんだ、そうかそうか。

そりゃ倒れるよ。今度から気をつけたほうが良いと思うよ。

大丈夫。そんなに急いで倒さなくとも、君より確実に先に死ぬんだ。

うん、それが親孝行って奴なんだよ。

お母さんは君が先に死んでしまう所なんて見たくないはずだ。

うん。これからは大事にしてあげるんだよ?

え?先に手を出したのは向こう?

包丁でさされそうになるのを必死で抵抗したって?


どうしたんだ・・・。何があったんだよ・・・。

そんな激しい話を聞いて、無視して授業をするわけにはいかないな。

え?良く理由はわからない?

突然「お前は悪魔だ!」といって部屋に飛び込んで来たって?


んー・・・。そうか。

それは大人の世界の複雑な事情が絡んでいそうだなぁ。

今お母さんはどこの病院に入っているんだい?

まさか、鉄格子とか、ついてないよね?

え?・・・・ついてるって・・・?

しばらく戻ってこない事が決まった?


そうか。こんな大事な時にお父さんはどこに行ったんだい?

え?お父さんは3年前から鉄格子の中に入っているって?

そうだったそうだった。そういえばそうだったよ。

確かお父さんは正義感の強い人で、悪いオジサン達を7人殺したんだったよね。

うん。


でもね、コロ助君。

君はこれから一人でどうやって暮していくんだい?

アルバイトを、している?そうか。そうだよな。

ちなみにどんなアルバイトをしているんだい?

なんだって???????

駅やデパートで?人の持っている荷物を取ってくる仕事だって?

・・・・そうか。

そいつはさぞかし大変だろうな。ダッシュ力も必要だろう。

稼いでるかい?ああ、日によってボチボチだ、と。


ところで最近随分と痩せたじゃないか。

ダイエットでもしてるのか?してる?

そうか。どんなダイエットだい?

ん?ご飯を抜くって?そうか、あんまりお勧めできないな。

ご飯は食べられるなら食べた方が良いと思うよ、うん。

ああ、食べたくないわけじゃないのか。それは仕方ない。


おや、良く見たら君は肩から血が出ているじゃないか。

どうしたんだ?手当てをしてあげよう。

うわっ!ひどいなぁ。これは鉄砲で撃たれた後じゃないのかい?

いったいどうしたって言うんだよ。

ええ??お巡りさんに撃たれたって??

ひどいなぁ・・・。酷いお巡りさんだ!


まだ中に弾丸が残ってるじゃないか。ちょっと待ってなさい。

今、ペンチを持ってくるからね。

ああ、あったあった。これで取るからね。

少し痛いから我慢してなさい。あ、取れた取れた。

あれ?おーい、授業中に居眠りしちゃだめだよ!


あ、起きた起きた。眠いのかい?

おや?良く見たら背中にもおなかにも傷があるじゃないか。

おいおい!これは酷いな!

背中とおなかから中身が飛び出しちゃってるぞ?

とりあえずこのサポーターでも巻いておきなさい。


そうかぁ。仕事中に酷いお巡りさんにやられちゃったのか・・・。

その仕事、辞めるわけには、いかないよなぁ。

なに?食べる為だから仕方が無いって?

うん。それは仕方ないよなぁ・・・。


でも?最近は?仕事が上手く行かなくて?1週間近く、水しか飲んでない?

なんだって??それはやりすぎだよ!ちゃんと食べないと、ダメだ!

そうか・・・。ちょっと待ってなさい。今、お饅頭でも持ってくるからね。

あったあった。持ってきたよ。これでも食べなさい。

あれ?コロ助くん?居眠りはダメだよ?

起きないな・・・。

困ったな。一人しかいない生徒なのに・・・。

コロ助くんが寝ちゃったら、やる事なくなっちゃうよ。



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バカバカしい話で、しかも不愉快な表現もあったかも知れません。


こんな可哀想な子、現実に存在するでしょうか?

する可能性もあります。

でも、殆どの家庭では、ご両親が居て、ご飯を食べさせてもらって、

好きな洋服を与えられて、お小遣いを貰って・・・、と。

現在の日本では、「ダイエット」ではなく、本当に何日も食べられない子など、

殆ど存在しないと思います。(虐待として行われている様なケースもありましたが)


この話の中に登場する様な子、つまり「ご両親が居ないので」仕方なく犯罪を犯すような子は、

戦後の混乱期であれば幾らでも居たでしょう。

保護してくれる大人がいない。

もちろん、どんな理由があったとしても、悪い事は悪い事として認識されなければなりませんが、

それにしても、「可哀想」と思える部分もあります。


こんな子供達をプロテクトする為に生まれた法が、

「少年法」なわけです。


今の世の中、戦後の混乱期に施行された少年法のコンセプトに当てはまる子が、

何人いるのでしょうか?


「人を殺す経験をしてみたかった」

「ムシャクシャしてた」

「あいつとは前から意見が合わなかった」

「物をかっぱらった相手がビックリする顔を見ているのが堪らなかった」

「進路の事で親ともめていた」

「成績が下がった」


こんな理由で犯罪を犯した子供達の、どこが可哀想なんでしょうか?

いや、児童心理学者や、その他わかった様な事を言う人に言わせれば、

「そんな心境に追い込んだ現代社会が悪い。充分可哀想だ」などと言いそうです。


この際そんな事は関係ないです。

「可哀想」の方向性が間違ってますから。

言って見れば甘ったれている、とでも言いますか。


現代の「可哀想な子の方向性」は、「やむを得ず」には結びつきません。

「やむを得ず」の子が絶滅したとは言い切れませんので、現行法以外に、

「愉快犯的な子専用の少年法」と、「精神状態が不安定な子専用の少年法」で、

厳密にグループ分けした方が良いかも知れませんね。


以前、夜中に女性のカバンをひったくった少年を捕まえました。

走ってくる少年に回し蹴りを入れるという、荒っぽい方法でしたが、

こっちに向かって突進してきたので、仕方がありません。

警察に突き出す前に事情を聞くと、

「今月の小遣いを使い果たした」からだそうです。

「あ、これはやむを得ない状況ではないな」と思いまして、

警察に突き出しました。(いや、やむを得なかったら見逃したわけではないですが)


警察での取調べまで詳しくは知りませんが、

どうやらこの国の大人たちが、子供の天国を作ってしまったのかも知れません。


学校だけじゃなくて、「子供」に少しでも関わる場所、

例えば、予備校・コンビニ・スーパー・デパート・図書館・駅・公園、そして家庭。


名目じゃなくて、取り繕いではなくて、

本当に子供の事を考えるのであれば、

これら全てが、本気で話し合う場所や機会を設けなくてはならないのかも知れません。


ご家庭では超アマアマに育てているのに、

学校には「うちの子は甘ったれなんで、ビシビシやってくださいね!」と言う。

で、子供は「学校のセンコー、ムカつくんだよ、先生」と塾の先生に言う。

で、塾の先生はそれを「信頼されてる」と勘違いして、やっぱり甘い対応をする。

どんなに舐めた態度を取っても叱られないので、「優しい人(本当は甘っちょろい大人)」

として子供に認識されて、ピエロの様に踊ってる。

Aというコンビニの中で、万引きしたら「もうするんじゃないよ?」と帰された。

Bというコンビニでは問答無用で警察に連れて行かれた。

で、「万引きするならAコンビニだぜ!Bは厳しいからな!」と。


変に統一的な「ルール」などは必要ないと思いますが、

もっともっと、子供に少しでも関わる大人たちが、

「子供にはこうやって接するべきだ」という自覚を持ってくれれば、

こんな対応の違いも出ませんし、子供達もそれなりに自覚を持って行動してくれると思います。

「悪い事に対する対応」が、各大人によって違いすぎるので、

悪い事を自覚出来ない子も生まれるわけです。

「○○先生はこれで良いって言ってたけど?」みたいな。

「ほかの人は別に何も言わなかったのに、アイツだけギャーギャー言ってて、うるせえよ」とか。


子育てに画一的な物は存在しないのはわかっています。


でも最低限の「常識」と「道徳」のルールぐらい、わからせて欲しいです。

夜中の3時に、5歳ぐらいの子を連れてファミレスに来ないで下さい。

それで、平気で走り回らせないで下さい。

なに?夜中に友だちと会いたくなったからしょうがない?

子供だけ寝かせておくわけには行かない?


そうですか。

じゃあ最初から子供なんか産まないで下さい。

子供居なければ、自由に夜中でも何でもファミレス行けますよ?

または、子供産んだら、そういう系統の事は我慢してくださいよ。

夜中の3時半に、ファミレスのドリンクバーを噴出して遊んでる子供を注意したら、

鬼の様な形相でママに睨まれたので、ちょっと「バカ親」に頭に来てます。


まあ、こんなご両親に育てられた子供も、

ある意味「可哀想な子」だと思いますけどね。


※今回は太字なしです。